この度、股関節リハビリテーション研究会を発足する運びとなり、一言ご挨拶申し上げます。
総務省による平成27年12月時点での日本総人口は、1億2688万人で、うち65歳以上は3365万6千人であり、全人口の25%を占めるといわれています。高齢者に多い代表的な股関節疾患として変形性股関節症が挙げられますが、股関節痛の増加に伴う著しいADLの低下は、様々な運動機能を低下させるばかりでなく、心肺機能の低下にも繋がりかねません。我々リハビリテーション職の役割は、いかに疼痛を軽減、消失させるかにつきますが、そのためには、どのような機能改善が股関節の安定性向上に寄与するのかを考えなければなりません。したがって、様々な動作を加味した上で、股関節のみに注目するだけでなく、全身を見据えた上で治療する必要があります。また、同時にその限界点も見極めつつ、医師との連携により、場合によっては手術を選択することも重要です。手術に移行した場合、その後療法として、できるだけ早期に社会復帰して頂くためのリハビリテーションを、1人1人にあった方法として考案する必要があります。また、近年では、変形性股関節症への移行率を軽減する目的として骨切り術も確立されてきており、術後のリハビリテーションも多岐に渡っております。当然ながら、手術方法に合わせたリハビリが展開されなければならず、そのための知識や技術を身につける必要があります。さらに、近年では、スポーツ障害などによる股関節唇損傷に対する関節鏡術後のリハビリテーションや、FAIという新しい概念、病態も散見されるようになってまいりました。このように、さまざまな股関節疾患に対して適応できるリハビリテーションが必要とされている中で、私たちも、より精度の高い治療技術を向上させることが望まれています。そのような機会を持つべく、今回、名古屋整形外科人工関節クリニック、名古屋大学、吉田整形外科病院の3施設合同で、股関節リハビリテーション研究会を発足するに至りました。この研究会が、股関節疾患における保存療法や術後のリハビリテーションに大きく貢献できるような会になることを切に願っております。皆様のご参加、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
医療法人慈和会吉田整形外科病院
リハビリテーション科 科長
中宿 伸哉
